虹
〜水滴による屈折で現れる現象たち〜
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主虹
言わずと知れたメジャーな現象、虹。空気中に浮かぶ水滴で太陽光が屈折&内部で一回反射することによって現れる、色彩豊かな円弧。「虹は七色」とよく言われるが、色の数は地域によって異なり、昔の沖縄では「赤と黒」または「赤と青」の二色とされていた。
2009/01/02 沖縄県宜野湾市(2枚合成) |
副虹
主虹の上に、もう一本薄い虹が出ていることがある。2本合わせて「ダブルレインボー」と呼ばれることもある。主虹では水滴内での反射は一回だったが、副虹では二回の反射を伴う。一回余計に反射するため、主虹よりも薄い。また、主虹とは色の並びが逆である。
2007/06/25 沖縄県西原町琉球大学 |
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第三次虹
主虹、副虹に次ぐ3本目の虹は、なんと太陽側の空に現れる。太陽を中心とした半径40度の円状で、水滴内部で三回の反射を行うために非常に淡いものとなる。色の並びは太陽側が紫である。発見は困難だが、不可能ではない。画像は強調してある(中央付近で左右に伸びている)。
2007/08/09 沖縄県宜野湾市 |
赤虹
太陽高度が低いときは、赤みの強い虹が出る。仕組みは普通の虹と同じ。
2007/09/10 愛知県名古屋市 |
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過剰虹
主虹の内側や副虹の外側に、さらに虹が続いていることがある。回折現象によって現れ、水滴が小さいほどそれぞれの虹の幅が広くなる。夏季の沖縄では虹が頻繁に現れるが、水滴が大きいためか過剰虹が出ることは少ない。
2007/09/10 愛知県名古屋市 |
Twinned Rainbow
主虹が2本重なったような形になっている。大きな雨粒が扁平な形になることが関係しているようだ。日本語訳はないらしい。
2007/08/09 沖縄県那覇市 |
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いろいろな虹色
生活の中で出会った虹色を集めてみた。 |
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1.内暈
「太陽がカサをかぶると雨」ということわざをご存知だろうか?そう、これがあのカサである。内暈を含む各種暈現象を総称して「ハロ」とも。上層雲に含まれる氷晶によって太陽高度に関係なく現れ、年間数十回発生している。しかし、太陽に近いので気付く人は少ない。虹と混同されがちだが、まったく別の現象である。
2008/06/14 沖縄県北谷町 |
2.外暈
内暈より2倍離れた位置にまれに現れる暈である。太陽高度に関係なく現れる。半径46度と大きいため、全体像を見ることは極めて困難。外暈に似た現象に「環水平アーク」「上部ラテラルアーク」「下部ラテラルアーク」があり、注意したい。
2007/09/12 愛知県名古屋市 |
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3.幻日
内暈と同じぐらい離れた太陽の左右に、白ないし虹色のスポットが現れる現象。太陽高度が60度以下でのみ現れる。色は太陽側が赤、外側が白ないし紫。水平状態を保った氷晶によって現れ、状態がいいほどスポットは小さく、強く光り輝く。
2008/06/27 沖縄県宜野湾市 |
4.幻日環
太陽と同じ高度を白い筋が伸びる現象。幻日付近でだけ現れていることが多く、全天を一周することは稀。太陽高度に関係なく現れる。氷晶の面で太陽光が反射して現れるため、色が付かない。
2009/05/06 沖縄県西原町琉球大学(3枚合成) |
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5.上部タンジェントアーク
内暈の上端に接するように現れる暈。上端接弧とも呼ばれる。太陽高度によって形状が変化する。太陽が低いときはV字型、高度が上がるにつれてV字が開いていき、太陽高度32度で直線状、それ以上では内暈に近づいていく。そして40度を越えると下部タンジェントアークと連結し、外接ハロとなる。写真は太陽高度22度での形。
2009/03/31 愛知県名古屋市 |
6.下部タンジェントアーク
内暈の下端に接するように現れる暈。下端接弧とも。太陽が低いときは逆V字型(だが地平線下で通常は見えない)、高度が高くなるとV字が開き、太陽高度40度で上部〜とつながって外接ハロとなる。
2009/03/31 愛知県名古屋市 |
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7.外接ハロ
既に述べたように、太陽高度が高いときに上部〜と下部〜がつながったもの。太陽高度が高くなると内暈との見分けが難しくなる。左の写真には内暈も写っている。
2008/06/14 沖縄県宜野湾市 |
8.環水平アーク
太陽高度が58度以上のとき、外暈付近に現れる虹色の帯。水平環とも。新聞等で「彩雲」と紹介されることがあるが、彩雲とは別の現象なので注意していただきたい。
2009/05/06 沖縄県西原町琉球大学 |
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9.環天頂アーク
太陽高度が32度以下のとき、天頂付近に虹色の弧が現れる現象。天頂弧とも。これも新聞等で「彩雲」と紹介されることがあるが、(以下略
2009/02/28 愛知県名古屋市 |
10.上部ラテラルアーク
太陽高度が32度以下のとき、外暈と似たような位置に現れる弧。外暈よりも比較的鮮やかなので区別できる。太陽高度によって形状が変化する。右下に写っているのは内暈+上部タンジェントアーク。
2009/03/31 愛知県名古屋市 |
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11.下部ラテラルアーク
こちらは太陽高度とは関係なく、外暈と似たような位置に現れる弧。見分け方は同じ。これも太陽高度によって形状が変化する。左の写真で右下の方に写っているのがそれである。
2007/09/12 愛知県名古屋市 |
12.太陽柱
寒い朝などに、太陽が上下に伸びて見えることがある。氷晶で太陽光が反射して現れる。寒い季節に現れるイメージが強いが、巻層雲が存在すれば年中現れる。右の写真は初夏の沖縄で撮ったものである。
2007/05/03 沖縄県那覇市 |
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珍しい暈現象 |
氷晶の形が特殊だったり、ごく稀にしか現れない現象がある。そのようなものをまとめてみた。 |