2007年9月12日、名古屋市港区で観察された暈現象について

2007年9月12日朝、東海地方上空を巻雲や巻層雲が通過し、名古屋市港区では9時から10時30分にかけて数々の暈現象が観察された。


 この日、私は沖縄行きの船に乗るため、名古屋市港区にある名古屋フェリー埠頭へ来ていた。前日からの雨はすっかり上がり、西からは晴れ間が広がってきていた。やがて、青空に純白の巻雲や巻層雲が広がり、秋の訪れを感じさせる空となった。
 いつもの癖で太陽の周りを見ると、太陽の右横に色鮮やかな幻日が出現していた。私は急いでカメラを取り出したが、構えたときには既に消えてしまっていた。その後も太陽の周りに薄雲がかかるようだったので、しばらく待っていると、再び幻日が現れた。内暈や上部タンジェントアークの一部も確認できる。

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 その後、巻層雲が広範囲に広がったため内暈がはっきりと現れ、相変わらず上部タンジェントアークの一部も見えていた。太陽周辺から目を離すと、内暈のさらに周りを囲む大きな暈が目に入った。「上部ラテラルアーク、もしくは非常に珍しい『外暈』かもしれない」と思ったが、上部ラテラルアークは太陽高度が32度を超えるときには見えない。この写真を撮ったときの太陽高度は44度だったので、これは外暈だ。上の画像では中央やや上を左右に、下の画像では中央やや右を上下に伸びている。

9:25

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 船に乗り込む頃には上部タンジェントアークが顕著に現れ、下部タンジェントアークとつながって外接ハロを形成していた。また、スポット状の幻日や幻日環の一部も現れたり消えたりしていた。

9:36


 左上から順に、太陽、内暈、外接ハロ、下部ラテラルアーク。

9:46


 この頃から巻層雲の状態が良好になり、幻日環がシャープになった。内暈、外接ハロ、幻日もくっきりと現れている。

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 太陽の右側の幻日環が伸び始め、太陽の反対側にも現れ、ついには太陽高度の空を一周してしまった。

10:13(太陽の右側)

10:17(太陽と反対側)

10:18(太陽の左側)


HaloSimによるシミュレーション


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